北海道知床半島沖で2022年4月に起きた観光船沈没事故を受けて、携帯電話の基地局整備を進めてきた総務省は、羅臼町のニカリウス地区の計画を事実上凍結する考えを示しました。

国は、観光船沈没事故を受け、携帯電話の通信状況を改善するため知床半島の4か所に基地局を整備する計画を進めてきた一方、自然環境への影響も懸念されていました。

10日開かれた専門家らでつくる委員会では、電波が届かない不感地帯でも通信が可能となる衛星通信サービス「スターリンク」の実証試験の成果が報告され、このうち羅臼町ニカリウス地区の基地局整備計画について、事実上凍結する考えが示されました。

総務省 総合通信基盤局 移動通信課 五十嵐大和課長
「ニカリウス地区の基地局整備については一旦立ち止まることになるかと思います。情報通信関係の技術の進展が極めて著しい」

「スターリンク」の実証試験は来年度も継続して行われるということです。