水害や地震など、いつ起こるか分からない災害に備えるのが「訓練」です。


高梁市の中学校で、「岡山では初」だという訓練が行なわれました。デジタル技術によって災害が疑似体験できるという訓練です。


ゴーグルをつけて体育館を歩く生徒たち。映し出されているのは…(浸水映像)


「豪雨によって学校が水深70cmまで浸水した」という映像。「AR=拡張現実」の技術を使った防災訓練です。


ARとは、現実の世界にCGなどを重ね合わせて表示する技術のことです。


災害を疑似体験することで防災意識を高めてほしい、と岡山県内の学校では初めて訓練に活用されました。


(熊澤梨花記者 リポート)
「では、実際にやってみます。水が見える状態で歩くと怖いですね…腰のあたりまで浸かっているような感覚です。足元に何かあるのでしょうが、水が濁っていて分からないですね」


「浸水した学校から避難する」という想定で行われた訓練。実際にみると、なんでもない風船やコーンなどの障害物も…


「こわっ!こわいんだって」


見えないということが、避難を難しくします。体感することで災害に対する意識や行動が変わるといいます。


(体験した人)
「本当に水の中に入っているみたいで、濁った水の中では足元が見えにくくて、怖かった」


「水害について考える良いきっかけになりました。緊急時でもすぐに避難ができるよう頑張りたい」


(拡張現実防災普及 板宮晶大代表理事)
「映像で、よく災害の様子が出ていますが、どちらかというと他人事の意識になってしまうので、身近に起きるとこうなってしまうと自分ごととして捉えてほしい」


水害だけでなく、火事や地震も体験できるといいます。あす起こるかもしれない災害から命を守る、AR=拡張現実の技術です。