連日、福島県内で相次いでいる、クマの目撃や人への被害。
こうしたなか福島県福島市では、自治体の判断で猟銃の使用が可能になる「緊急銃猟」の訓練が9日行われました。

河川敷のやぶからゆっくりと現れたのは…クマに扮した男性。これは9日に福島市で行われた訓練の様子です。
この訓練は、先月導入された「緊急銃猟」制度について自治体の担当者に理解を深めてもらおうと環境省が主催しました。


県内では今年に入りクマの目撃件数が948件に上っていて、9月時点で年間の過去最多を上回っています。
また、クマによる人の被害は9件発生していて、このうち6件は山以外の場所でした。

訓練は、福島市の河川敷でやぶの中にクマが出没したという想定で行われました。
これまでは、人の日常生活圏での銃の使用は原則禁止されていましたが「緊急銃猟」制度が始まり、特例的に市町村長の判断で可能になりました。
周辺を通行止めにするなど、緊急銃猟の要件を満たすことを確認したあと、市の職員が階段を上り銃を構えます。

そして、階段の上からクマに発砲しました。


【環境省自然環境局・安藤祐樹さん】
「今後こういった研修を積み重ねて、より良い運用の仕方を検討していきたい」

この日は福島市のほかに、県内およそ40の自治体の担当者が訓練を見学し、緊急銃猟の手順を確認していました。