広島市の原爆資料館で、被爆者の家族などから新たに寄贈された「新着資料」の展示が始まりました。

原爆資料館では、2023年度に寄贈された1400点を超える資料の中から、126点が展示されています。

広島市の国民学校4年生だった男性が寄贈した「集団疎開の日誌」です。男性は、原爆が投下された年の春から、いまの三次市に疎開しました。

日誌は、草取りをしたことなど子どもたちの日々の生活を、引率した教員が書いたもので、戦後、教員から男性に託されていました。

こちらは、被爆した仏像です。寄贈した男性は当時10歳。原爆で亡くなった母親の代わりに仏像を心のよりどころにしてきました。

寄贈はさびしくて、一旦作業を中断しましたが、自らの年齢も考え、手放す決心をしたといいます。

原爆資料館 学芸展示課 学芸員 高橋佳代さん
「大切な人の記憶を残したい、伝えたいという思いで持ってきて下さっている。寄贈者の思いを伝えたい」

建物疎開の作業中に被爆して亡くなった女学生の名札は、姉が大切に持ち帰った遺品です。

このほか、母親のお腹の中で被爆した原爆小頭症の被爆者の写真などもあります。

新着資料展は、2026年2月1日まで広島市の原爆資料館で開かれています。