物価高対策が更なる物価高に? “高市トレード”で円安進む
その高市新総裁の誕生から4日。「高市トレード」と呼ばれる動きが私達の暮らしを直撃しようとしています。

東京・六本木にあるステーキ店。ここの一番人気は「熟成牛タンのステーキ」です。
炭焼き肉とワイン旬熟成 金井正志 店長
「仕入れで1キロで4500円です。値段はだいぶ上がっています」
オーストラリア産を使用していますが、仕入れ値は5年前の2倍になっているといいます。
要因は円安です。

炭焼き肉とワイン旬熟成 金井正志 店長
「収束はしてほしい、円安は。これ以上、円安が進めば進むほど、もう我々の首が締まるだけなので」

8日、円相場は一時153円台目前まで値下がりしました。要因の一つが、高市氏が掲げる物価高対策です。

積極的な財政出動を行うとの見方から、財政悪化への警戒感が拡大。円を売ってドルを買う動きが強まり、総裁選前からは5円ほど円安に進行しました。
専門家は、円安が更なる物価高を招くと指摘します。

外為どっとコム総研 神田卓也 シニア為替アナリスト
「円安が進むと、輸入するものの値段が上がる。我々消費者のところに届くとき、物の値段が上がる。インフレになる」
目先は、1ドル=155円まで円安が意識されているといいます。
外為どっとコム総研 神田卓也 シニア為替アナリスト
「円安を抑えようとすると、物価高対策が形だけになりかねない。本当に非常に難しい状況」
物価高対策が、更なる物価高に。高市総裁は、難しい政策判断を迫られることになりそうです。