10月に入り、石川県内では32人の新人警察官が各警察署に配属されました。

金沢市内の交番で新たな一歩を踏み出した女性警察官の初勤務に密着しました。

10月1日午前8時半、金沢中警察署。


緊張した面持ちで署内の挨拶回りをする杉本ひなた巡査(22)

石川県野々市市出身の杉本さんは、2025年3月に沖縄の大学を卒業後、石川県警察学校で法律や逮捕術などを半年間学び、金沢中警察署に配属されました。

中学生のころから地域の安全を最前線で守る警察官に憧れていたという杉本さん。


金沢中警察署・杉本ひなた巡査(22)「きょうは早めに起きて雨が降っている日だったので下がる気持ちもあるけど、そこで元気を出して県民の方々と関わっていけたらと思う」


警察官の必需品でもある防刃ベストを与えられ、たくさんある装備品を苦労しながら身につけていきます。


午前10時半。                               杉本巡査の警察官としての第一歩は、金沢中警察署から車でおよそ10分の泉野交番での勤務から始まります。


去年4月に寺町交番から移転してできた金沢市内でも新しい交番です。

金沢中警察署・杉本ひなた巡査「ちゃんと整えられていて窓とかも大きくて、見渡しやすい交番ですごく良い」


この日、一緒に交番勤務をする11年目の寺瀬公祐巡査部長と6年目の南井健男巡査から交番のルールを教わり、しっかりメモに残していきます。


しかし正午ごろ、学んだことを整理する間もなく、ショッピングセンターの駐車場で、車同士の接触事故があったとの通報を受け、すぐに現場へ向かいます。

突然訪れた初出動に緊張が走ります。

現場では、先に着いた警察官が事故の当事者から話を聞いていて、先輩警察官の聞き取りにしっかりと耳を傾けます。


寺瀬巡査部長から改めて現場での立ち回りを教わります。

金沢中警察署・寺瀬公祐巡査部長「発生間もない事故だったらすぐに無線で報告して、車の色が何色とか軽なのか普通車なのか聞いて無線で流すと、自分たちはここを対応するけど他の所の警察官が事故車両を見つけてくれる可能性もあるし」


午後1時ごろ、交番に戻り、昼食タイムです。


通常、昼休憩は1時間、自分で作った弁当を食べながら束の間の休息です。

杉本巡査はここまで振り返って…

金沢中警察署・杉本巡査「自分たちがもともと予定してた仕事とは違う現場出動の連絡があって予定してたものができないというのも当たり前にあることを実感した」          

昼食を終えた杉本巡査が次に向かったのは、金沢市の野町駅前の駐輪場です。


金沢中警察署・寺瀬公祐巡査部長「『自転車盗』っていっぱい発生する。発生する理由としては無施錠のものが狙われやすいし、サドルってあまり高さを変えないと思うし、真新しく高さが変わっているものとかがあれば、もしかしたら盗んだ自転車の可能性があるし、そういうところに着眼点を持って」


先輩の教え通り、駐輪場に止められた自転車がしっかり施錠されているか、盗品ではないかなどをチェックしていきます。

そして、午後4時、                            「こんにちは、金沢中警察署の泉野交番から来ました。巡回連絡で回っています。杉本と言います。よろしくお願いします。」


午後4時ごろからの「巡回連絡」は、担当する地域の住宅を訪問し、犯罪の被害や事故の防止などを呼びかけるとともに自分の顔を覚えてもらうための重要な業務の1つです。

地域住民との初めての直接的なコミュニケーション。慣れない業務に苦戦します。

金沢中警察署・杉本ひなた巡査「なかなか言葉が出てこなかったので、挨拶からしっかり入って不快感もたれないようにとか、話術というところも今後色々なお宅にお声がけさせていただいて慣れていきたいと思う。」


午後5時ごろ、交番に戻ったところで1日目の主な業務が終了です。


突然の出動から始まった憧れの警察官としての初日。杉本巡査はどう感じたのか。

金沢中警察署・杉本ひなた巡査「実際に現場に足を踏み入れるところで本当に警察官になったんだなと実感できる1日だった。現場ごとに注意することとか準備するものをしっかり教えてもらったので、覚えていかなければいけないところがたくさんあった。これkら実際に現場に出て学んで身に付けていきたい」


1日、杉本巡査を指導した先輩2人も新人の働きぶりに感銘を受けます。

金沢中警察署・寺瀬公祐巡査部長「いろんなこと質問してきたり、学ぼうとする姿勢があったので、びっくりした現場もあったと思うが、杉本は積極的に前へ出ている姿があったので今後が楽しみ」


金沢中警察署・南井健男巡査「自分も新人だった時を思い出してもこんなにうまく立ち回れていなかった。コミュニケーションの取り方をもっと身に付けてもらったら素晴らしい警察官になれると思うので頑張ってほしい」


新人警察官として、人生の新たな一歩を踏み出した杉本巡査。


金沢中警察署・杉本ひなた巡査「今の気持ち・初心をしっかり忘れないで仕事を続けていきたいのと、一番は県民のためにというのが大きいので、自分たちが石川県を守っていく存在であり続けられたらいいなと思う」