不適切な治療による患者の死亡が相次ぎ、神戸市から改善命令が出されていた神戸徳洲会病院について、市は改善措置が適切に運用されているとして、医療安全管理体制が確立されたと発表しました。

 神戸徳洲会病院では、2023年1月から7月にかけて、循環器内科の男性医師がカテーテル処置をしたあとに患者11人が死亡していました。市は安全管理や情報共有に問題があったとして、同年8月、病院に対し、行政指導を行いました。

 しかしその1か月後には、入院中の新型コロナ患者が持病の糖尿病を見落とされ適切な処置がなされず死亡するなど、重大な不備を繰り返したことから、市は2024年2月、病院を運営する医療法人徳洲会に対し、改善命令を出しました。

 その後、病院側は保健所による指導のもと改善の取り組みを行ったほか、市が開いた外部医師らによる有識者会議で改善の取り組みや進捗状況などについて報告するなどしました。

 今年9月の有識者会議では「概ね改善措置は適切に運用できている」と意見で一致したことなどから、市は10月6日付けで、病院の医療安全管理体制が確立されたと判断したということです。

 市は、通常は年1回の監視を必要に応じて2~3回に増やして実施するなど、今後も病院側への指導や助言を行っていくとしています。

 神戸徳洲会病院は「今後も医療安全体制を維持・発展させ、地域の皆様が安心して受診していただける病院を目指し、努力を続けてまいります」などとコメントしています。