10月3日、宮城県栗原市の栗駒山でキノコ採りをしていた女性が、クマに襲われ死亡し、一緒にいた別の女性が、今も行方不明となっています。
現場の箱わなには、6日、子グマ1頭がかかっているのが見つかり駆除されました。

宮城県栗原市栗駒文字の栗駒山では、6日に地元の猟友会が箱わなを新たに一か所設置しました。

また、警察は、6日朝から行方不明の女性の捜索を再開しましたが、依然として発見には至っていません。

10月3日、栗駒山では、キノコ採りに入った志水春江さん75歳が、クマに襲われ死亡し、一緒にいた70代の女性も行方がわからないままです。
この女性もクマに襲われた可能性があるということです。

一緒に山に入った男性:
「おい、帰るぞって言ったら、返事がないから、何かあったのかなと思った。そうしたら血の付いたハンカチが落ちていた」

こう語るのは、当時、一緒に山に入った男性。入山した後、クマ対策として「爆竹」を鳴らしたといいます。

一緒に山に入った男性:
「ガードレールから50m下りたところで爆竹鳴らした。上の原っぱでも爆竹を鳴らしている。まわった所でも爆竹を鳴らした。3発鳴らしているんだ」

これに対し専門家は、爆竹はクマ避けとして一定の効果がある一方、クマとの遭遇を確実に防げるわけではないと注意を呼びかけます。

森林総合研究所東北支所 大西尚樹さん:
「クマにとっては、人間側が自分たちの行動範囲に入ってきたという感覚だと思う。(爆竹を鳴らして)クマが動いた方向に人間が山菜採りに行ってしまったら、出会いがしらの事故になる」

森林総合研究所東北支所 大西尚樹さん:
「クマによる事故の多くは首から上、顔、頭を狙ってくるのが知られている。クマも自分の身の安全を守るため、相手の致命傷になるところを仕留めてくる。そのため屋外での活動のときはヘルメットをしてもらいたい」

今野貴章カメラマン:
「午後1時半です。子グマ1頭がわなにかかっているのが確認され、近くに親グマがいる可能性もあることから警察が警戒しています」

栗原市の栗駒山では、6日に設置した箱わなに体長70cmほどの子グマ1頭がかかっているのが見つかりました。その後、駆除されたということです。

4日には、大崎市鳴子温泉鬼首で自宅の庭で農作業していた70代の女性が、クマに襲われけがをしています。

今後、クマは冬眠に向けて栄養を蓄えるため、行動範囲を広げる可能性があり、十分な警戒が必要です。

クマによる人的被害は、今シーズンすでに3件となっています。
大西さんは、ラジオやクマ鈴などで常に音を鳴らして、人の存在を知らせることが大切。もし出会ってしまった場合は、クマ撃退スプレーなどが有効だと話していました。