俳優の妻夫木聡さんが映画『宝島』東京キャラバンに登壇しました。


妻夫木さんは “映画っていうのは公開したら子供が巣立っていくような気持ちになるけど、『宝島』という映画は手と手を取り合って、どこまでも歩いていきたい作品だなと思っています” と挨拶しました。

映画について妻夫木さんは、 “僕は1980年生まれだけど、その8年前は沖縄はアメリカ統治下の時代で。僕はこの映画に携わるにあたって沖縄のことを全然わかってなかったなって。沖縄の事実を知ること。僕たちは、痛みを知ることが出来ます。その痛みを知ることで、この先同じ過ちを繰り返しちゃいけないといえることが出来ると思う” と語りました。

続けて “教科書だけ見てわかってる気だけではダメだと思うんです。そしたらまた僕たちはまた武器を持ってしまうかもしれない。武器を持ってしまったら戦争が始まってしまうかもしれない。その中で失った命というのはもう取り戻せないわけで。僕はそういう時代は二度と来てほしくないと思ったし、「集団自決」という言葉にしても親が子を手に掛けてしまうっていうのは80年前まで起こっていたという事実。僕には自分の子どももいますし…” と話すと、妻夫木さんは言葉を詰まらせました。
涙をこらえながら “そんな未来は作りたくないですね。絶対に子どもたちには。今があるってことは当たり前じゃないから。これは絶対に僕たちは伝えていかなければならないです” と話すと会場から拍手が起こりました。

さらに妻夫木さんは、 “監督と全国を舞台挨拶でまわっていて、お客さんから言われて嬉しかった言葉があって「見終わった後に今すぐ帰って子どもを抱きしめたい」って。それを聞いて、素直な気持ちなんだなって思ったし、僕も子どもを抱きしめたくなりました。これが『宝島』という映画を作った意味なのかなって思いました” と目に涙を浮かべながら話しました。

イベントの最後に、妻夫木さんは “泣いてしまってすみません。沖縄の方言で(泣き虫のことを)「なちぶー」ってあるんですけど、沖縄出身の友達に「お前なちぶきさとしだな」ってずっと言われてるんです” と笑いを誘いました。
【担当:芸能情報ステーション】