中国政府が国家を挙げて「インターネット クリーンアップ作戦 2025」を展開している。9月29日放送のRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で、東アジア情勢に詳しい元RKB解説委員長で福岡女子大学副理事長の飯田和郎さんが出演し、この一大キャンペーンの目的と、その背景にあるネット空間の暴力、そして社会の病巣について解説した。

ネガティブ感情を「一掃する」政治キャンペーン

社会主義国の「キャンペーン」とは、映画や歌のPRではなく、国を挙げて目標に邁進する政治キャンペーンのことを指します。今回、中国政府でインターネットを管理する部門が展開する「インターネット クリーンアップ作戦 2025」。その狙いは、ネット空間の秩序維持と、ネガティブな感情の扇動の一掃にあります。

この作戦の目的は、

「インターネット上において、利用者のネガティブな感情を扇動したり、悪意のある挑発を行なうなど、すべての不正行為を一掃する」

というものです。ネット空間での暴力は、社会の分断を進める要因であり、中国に限らず、日本も例外ではありません。しかし、中国では国家を挙げてこれに取り組むという点で、その危機意識の高さが伺えます。