静岡市は街中の観光スポットを回る「駿府浪漫バス」を2025年9月に廃止し、10月1日から新たな公共交通の実証実験を開始しました。主に市街地の病院や福祉施設を巡回する路線で、市民のニーズに応えるためのトライアルです。

2025年10月1日に始まったのは、定員9人の小型車両を用いた乗合交通の実証実験です。静岡駅から静岡赤十字病院や市立静岡病院に近い「中町」、城東保健福祉エリアを経由して、県立総合病院までをつなぐ路線で、片道25分を1日6往復します。

実証実験を受託したタクシー業者が平日のみ運行し、運賃は片道310円です。

<乗客>
「きれいで乗り心地良かった。予定通り、時間ぴったり。(運賃が)ちょっと高いけれど」

<病院利用者>
「(運行)本数の問題が解決されれば(利用してみたい)」

これは時代のニーズに沿った実証実験ともいえます。

静岡市は2000年から観光利用目的の循環バス「駿府浪漫バス」を運行していました。しかし乗客数の減少と、観光目的の利用低迷を背景に、廃止を決断。市民ニーズの高い病院、福祉施設を巡回するルートを展開し、市民生活の足として機能するか探ることにしました。

<静岡市交通政策課 上原雅生主査>
「車を持たない高齢者の方、病気・けがで車を運転できない方に多く利用してもらいたい。新しい公共交通。あまりなじみがないかもしれないが、こうした選択肢もあると認識してもらいたい」

市は実証実験を通じて利便性や採算性を見極めた上で2026年10月から民間事業者に運行を引き継ぎたい考えです。