「3116分の88」これは宮城県内の消防士に占める女性の割合で▼2.8%にとどまっています。このように女性の消防士が極めて少ないなか、働きやすい環境を整えよういうプロジェクトが2日、発足しました。そのなかに、多賀城消防署で火災現場など第一線で活躍する一人の女性がいます。

■女性消防士の活躍に向けて「プロジェクト」発足

このプロジェクトは、県内の現役女性消防士や1969年に女性消防士第1号となった女性ら6人の委員で構成されています。


女性消防士は志願する人が多くないうえ、日々の業務と育児の両立が難しいと感じたり、出産や育児でキャリアアップの時期を逸したりして退職する人も少なくありません。プロジェクトでは、消防庁のモデル事業として、県消防学校が開催する女性消防士を対象とした特別講習の進め方や内容について意見を交わしました。

多賀城消防署主幹兼警防第二係長・我妻結さん:
「女性の横のつながりというのが私も反省しているところだが県内にはなかった。(現場で働く)公安職として、『どんな悔しいことがあった』「どんな歯がゆいことがあった』ということを情報共有するだけでも、かなりのメリットなのかな」


プロジェクトの委員の一人、多賀城消防署の我妻結さん45歳です。消防士になって21年目、消防や救助を行う警防第二係で係長を務めています。


この日は同僚とともに立ち入り検査のため、パチンコ店を訪れました。
消防署による立ち入り検査は、商業施設や娯楽施設などを対象に建物や設備が基準に適合しているかどうかを確認するため、消防署員が定期的に行います。


多賀城消防署主幹兼警防第二係長・我妻結さん:
「立ち入り検査は消防業務の火災予防の根幹となる。立ち入り検査が我々の日々の仕事のベースといいますか」


消防の現場に復帰したのは13年ぶりのこと。現在は消火活動などで“指揮を執る”県内で唯一の女性消防士なのです。