新型コロナ後遺症克服に向け新たな研究結果が発表されました。コロナ後遺症の1つ「ブレインフォグ」と呼ばれる症状を訴える患者の脳内を調べたところ、情報伝達に必要なタンパク質の密度が健康な人と比べて高いことが横浜市立大学の研究で明らかになりました。
新型コロナウイルスの後遺症には、倦怠感や味覚障害のほか、頭に霧がかかったような感覚になり思考力が低下する「ブレインフォグ」と呼ばれる症状があります。後遺症の診断は難しく、治療法は現在も確立していません。
横浜市立大学の研究チームは、「ブレインフォグ」の症状を訴える患者30人の脳内を「PET検査」と呼ばれる特殊なCTを使って分析しました。
その結果、30人の患者全員で、脳内の情報伝達に重要な役割を果たす「AMPA受容体」と呼ばれるタンパク質の密度が、健康な人と比べて高いことが分かりました。
横浜市立大学医学部 高橋琢哉 教授
「色がついている領域が『AMPA受容体』が多い。脳の全域で『AMPA受容体』が増えている。(この結果は)ブレインフォグの病態の本質に迫っていると考えている」
研究チームの高橋教授によりますと、「AMPA受容体」の密度が高いことで脳内での情報処理がうまくいかず、「ブレインフォグ」の症状が出ている可能性があるということです。
研究チームは今後、「AMPA受容体」の働きを抑える薬を使った臨床研究を行う予定で、高橋教授は「『ブレインフォグ』の症状は社会的な理解が乏しく、『気のせい』にされてしまうことがある。今回の研究で、脳内で異常なことが起きていることが明らかになり、診断方法や治療法の糸口を掴むことができた」と話しています。
研究成果は科学雑誌「ブレインコミュニケーションズ」に掲載されました。
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