福島県南会津町では30日、クマの生態に詳しい専門家が被害のあった介護施設で現地調査を行いました。
職員「ドンというぶつかったような音はしたと言っていたんですけど」
専門家「恐怖ですね、それは」
この介護施設では13日、体長およそ1メートルのクマが窓ガラスを突き破って、施設の中に侵入しました。クマは施設の中を歩きまわった後、逃げたため、利用者や職員にけがはありませんでした。
福島県内でも相次ぐクマの被害。今年は人への被害が7件発生しているほか、目撃は、先月末現在で661件と過去最多ペースで増加しています。

その原因について現地調査に先立つ会議で、専門家は次のように指摘しました。
福島県野生動物調査専門官・溝口俊夫獣医師「高い値のままということは、里地や市街地で出没しているんですが、その原因が何かということなんですが、専門家の間では、たぶん猛暑による影響があるでしょうねと」
専門家は、猛暑により木の実の生育が悪く、山で「エサ不足」が起きていることが要因とみています。
溝口獣医師「今後はいま以上にクマが人里に出てくる、目撃される、あるいは人身事故のリスクが非常に高まっている」
専門家は、こう警鐘を鳴らしたうえで、住宅の周辺や倉庫にクマのエサとなるものを置かないように呼びかけています。