自民党総裁選は告示から1週間が経ち後半戦に突入しました。静岡県内議員もそれぞれの活動を活発化させる中、投票権を持つ党員からは「政策の違いが見えづらい」と戸惑いの声も上がっています。

2025年9月28日、静岡県沼津市の演説会に現れたのは自民党総裁選2度目の挑戦となる小林鷹之議員です。

<自民党 小林鷹之元経済安全保障担当大臣>
「自民党にも世代交代が必要なんです。ワンチーム、自民党を一つにしなきゃいけない。一つになった自民党を、先頭に立って引っぱって行くのは新しい世代だと私は思っています」

「旧二階派」の同期で、推薦人に名を連ねる勝俣孝明議員が開きました。

<自民党 勝俣孝明衆議院議員>
「コバホーク選対は本当に派手さはないですし、重鎮といわれる先生はほとんどいないんです。私たちは同期とか若手を中心に選対を組んでいます。雰囲気はすごく良いです」

<自民党 若林洋平参議院議員>
「照れ屋さんで本当にチャーミングで何よりも人思いなんですよ」

週末、静岡市で演説したのは高市早苗議員の推薦人となった若林洋平議員です。本人は不在ですが近くに「サナエボックス」を設置し、高市議員に直接意見を届ける戦略です。

<若林議員>
「(党が)存続か、弱小になるか、それぐらい危機感を持ってやらなきゃいけない選挙だと思いますし。議員も自分の考えで決めるということが大事じゃないかなと思います」

一方、どの候補を推すのか、態度を明らかにしていない県内議員もいます。

<自民党 牧野京夫参議院議員>
「私も井林さんも今のところ名前を出さないようにしていますので。とにかくちゃんとした人を選んでいきたいと思っています」

自民党県連の井林会長は「後半戦は、候補者が議員票獲得への活動に軸を置く」と話し政策を注視しています。

<自民党静岡県連 井林辰憲会長>
「石破総裁の総裁選前倒しで非常に深い亀裂が党内に入っていると思います。それをこの議論を通じて修復していただかなければいけないと思いますので、そんな論戦を期待しています」

「議員票」とともに注目されるのが「党員票」です。静岡市清水区で理容店を営む男性は党員歴約15年。手元には投票用紙が届いています。

<自民党員の理容師>
「生活衛生業を営んでいますので、やはり安全安心な生活環境をまずつくってくださって。賃金を上げてもらったりとか減税とかで皆さんが豊かになるような総裁を選んでほしいと思うし、僕も選びたいなと思っています」

しかし、今回は政策の違いが見えづらいといいます。

<自民党員の理容師>
「(前回とは異なり)今回は急にこういう状況になって。どんな主張をされるかとかどういう国をつくりたいだとか、そういうところをよくチェックしないといけないなと思いました」

9月28日夜、開かれた高校生との討論会で、候補者は長期的なビジョンを訴えました。

<茂木敏充前幹事長>
「Japan as No.1というよりもオンリーワン。世界の中で、日本という国がなくてはならない。個性を持ちながら、なくてはならないような社会というのを作っていければいい」

<林芳正官房長官>
「やりたいことがやれる選択肢がある。そして1回失敗しても、いろいろな選択肢をまた選んでいける、こういう柔軟な社会にさらにしていきたい」

<高市早苗前経済安全保障担当大臣>
「世界共通課題を解決するための肝になる技術は、結構、日本に綺羅星のごとくあるので、必ずこの投資をして成長できる、そんな日本を作ります」

<小泉進次郎農林水産大臣>
「(安倍政権時代)若い人たちの支持が自民党にあったのは、これから経済良くなる、暮らしが良くなるんだ、こういった思いが大きかったと思います。そのために日本の経済も生活も豊かにする。そうすれば、1人1人が自分が好きなことを追求できる」

後半戦に入り、本格化する党員投票や議員票の積み上げに向け動く5人の候補者。総裁選の投開票は10月4日です。