静岡県牧之原市などを襲った国内最大級の竜巻の発生から9月26日で3週間です。各地で復旧に向けた作業が進む一方、住民の前に新たな課題が立ちはだかっています。それがお金の問題です。

いままで経験したことのない竜巻被害から3週間が経ちました。大きな被害を受けた牧之原市内では一歩ずつ復旧に向けた作業が進んでいます。

<平賀正廣さん>
「土日、2日間で屋根をつけてくれた」

居酒屋を営む平賀正廣さん。自宅の屋根などが飛ばされ、これまで車中泊を続けてきましたがボランティアの協力でようやく家で過ごすことができるようになりました。建物の損傷は激しいため、平賀さんは家を取り壊すことを決めていますがその時期は未定です。

<平賀さん>
「うちは大規模半壊なので、それなりの援助が受けられるが、そのお金がいつ出るか分からない。そうすると、業者に取り壊ししてもらうわけにもいかない」

ご近所との会話でもお金の話がよく話題にのぼるといいます。

<平賀さん>
「うちの場合は壁から何まで飛んで行っちゃったから、大規模半壊だが、それ以下の人たちは保証が薄いらしい。電化製品もだめになってしまっていることもあるのに、援助が薄くなること自体が、もう少し国がやってほしい」

こちらの住宅は全壊と認定。夫婦は家を取り壊し、同じ場所に住み続ける決断をしました。しかし…

<住民>
「不安ですよ。お金も。介護を受けるために貯めているので、そのお金が無くなってしまうので。でもいいよ、その時はその時で。受け止めて前に進むしかないなと思って」

<鈴木康友静岡県知事>
「応急仮設住宅の提供などに要する経費や住宅に著しい被害を受けた世帯への生活再建支援金の支給、被災された方々の一日も早い生活と生業の再建に向けて必要となる経費について追加提案するものであります」

県も被災者支援を急いでいます。

鈴木知事は26日の県議会で台風15号による被災者を支援するため、一般会計で16億900万円の補正予算案を追加提出しました。

屋根の改修工事に1戸当たり最大138万円を支援するほか、全壊した住宅の建て直し費用などに最大300万円を助成します。

被災から3週間、復旧作業が進む中で見えてきたお金という新たな問題。これからどこで暮らせばいいのか、住民は難しい判断を迫られています。