「不屈の男」がピッチを去ります。

サッカーJ2・北海道コンサドーレ札幌は、9月26日、MF深井一希選手(30)の今季限りでの現役引退を発表しました。

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 札幌市東区出身の深井選手は、小学4年生からアカデミーに所属すると、高校年代では日本代表にも選出されるなど頭角を現し、2013年にトップチームに昇格。

 卓越した戦術眼と抜群のボール奪取能力を持つボランチとして、ここまでJ通算205試合に出場しています。

2019年、クラブ史上初のタイトル獲得をかけたルヴァンカップ決勝(対 川崎F)では、後半ATに劇的な同点ゴールをあげるなど、クラブの象徴的な存在として活躍してきました。

しかし、そのプロ生活の大半は、ケガとの戦いでした。

前十字じん帯断裂などにより、プロ13年間で、両ひざ合わせて5度の手術を経験。

 選手生命が危ぶまれる大ケガを繰り返しながらも、懸命のリハビリを経て、ピッチに返り咲き続けました。

しかし、2024年9月の復帰以降は、全体練習に加われない日も多く、今季はリーグ戦2試合の出場に留まっていました。

以前から指導者への関心も高く、「いつか札幌で監督に」と語ることもあった深井選手。

 選手生命の危機を幾度となく乗り越え、サポーターから愛され続けた「不屈の男」が、9歳から身にまとった赤と黒のユニフォームを脱ぎ、次のキャリアを歩む決断を下しました。