9月、広島県東広島市の広島大学で、イルカの「人工授精」に関するシンポジウムが開かれました。鍵を握るのは、家畜研究の権威です。

4年前、名古屋港水族館で撮影された人工授精によるバンドウイルカの出産シーン。新しい命の誕生は喜ばしい一方、イルカの繁殖は決して簡単ではないと言います。

名古屋港水族館 栗田正徳 館長
「どこの施設でもオスメスがきちんと飼育されているわけではないので、例えば、人工授精ができるようになると、オスの個体を移動させずに、メスだけを飼育している水族館に運んで人工授精をする」

日本水族館協会では、人工授精による計画的な繁殖の確立を目指し、将来的には、野生のイルカに頼らない水族館での繁殖を目標としています。こうした中、広島大学で開かれた、イルカの「人工授精」に関するシンポジウム。全国の53の水族館が加盟する「日本水族館協会」が、3年前から進めているこの取り組み。鍵を握るのは、ブタやウシなどの家畜の人工授精技術の発展に大きく貢献してきた広島大学生物生産学部の島田昌之 教授です。