今年6月、夫に頼まれヘリウムガスで窒息させ殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われている女の初公判が松山地裁で開かれ、女は起訴内容を認めました。

裁判は即日結審し、検察側は拘禁刑3年を求刑しました。

嘱託殺人の罪に問われているのは、松山市岩崎町の無職・織田由佳被告(39)です。

起訴状などによりますと織田被告は今年6月30日、自宅の集合住宅で、夫の知典さん(当時35歳)に頼まれ、頭にナイロン袋をかぶせるなどしたうえ、中にヘリウムガスを充満させ、窒息死させたということです。

松山地裁で開かれた22日の初公判で、織田被告は起訴内容を認めました。

続く冒頭陳述で検察側は、夫の知典さんが数年前から体調不良を訴え、死ぬことをほのめかすようになり、事件の1か月ほど前に、ヘリウムガスのボンベなどを購入したことを明らかにしました。

一方の織田被告も、うつ病のため1年ほど前から引きこもり状態で、当日は「2人で死のう」と話し合い、知典さんを殺害した後、自殺を図っていたということです。

裁判は即日結審し、検察側は「被害者の依頼を安易に受け入れて、殺害という重大で取り返しのつかない決断をしたことは、人命を軽視した短絡的なものと言わざるを得ない」などとして、拘禁刑3年を求刑しました。

一方、弁護側は、執行猶予付きの判決を求めました。判決は来月30日に言い渡されます。