
同じ岩手菌類研究同好会の会員の菅原徹さんです。
和製ポルチーニの仲間は、山林の中だけではなく、街中でも採れると教えてくれました。

(菅原徹さん)
「ススケヤマドリタケですね」

花巻市郊外の整備されたアカマツ林の根元で見つけたのはススケヤマドリタケ。
かさは焦げ茶色で、柄には細かい網目模様。

かさの裏側はひだ状ではなく、菅孔と呼ばれるスポンジ状の組織で覆われていて、柄の一部を切った時に断面が青く変色しないのが見分けるポイントです。
和製ポルチーニ。一体、どんな味がするのでしょうか。

シンプルに少なめの油で焦げ目がつくまで炒めました。
最後に塩を一つまみかけて出来上がりです。

(江幡記者 食リポ)
「口に入れる前からもう香りがすごくあがってくるのと、歯ごたえが結構シャキシャキしていて、噛むたびに香りとうま味が口の中に広がってきます」

ポルチーニは天日干しすることでより香りが増すといわれます。
同じようにススケヤマドリタケも、スライスして1日から2日天日干しすると…

(江幡記者)
「えっ!キノコというよりは、魚のお出汁、鮭とばの干したやつのような強い香りがします」

干したススケヤマドリタケを水で戻したあと、それを沸かしたお湯で市販のポタージュスープを作ってみました。

(江幡記者)
「これ絶品ですね。香りが幾層にも積み重なったような感じで」
菅原さんは10年ほど前からススケヤマドリタケを採って食べていましたが、以前に比べて注目が集まっていると実感しています。

(菅原徹さん)
「(すごいキノコがあるらしいと話題になっていますが)そうですね。ちょっとライバルが増えるなと心配していますが、おいしいキノコなのでみなさんにも味わっていただきたいです」
私たちの暮らしのそばでも見つけることができる「和製ポルチーニ」と呼ばれるキノコの数々。

秋の野山を散策する楽しさと世界三大キノコに匹敵する香りと食感の双方を味わってみてはいかがでしょうか?

私たちの身近で見られる和製ポルチーニの仲間は、今回取材したススケヤマドリタケやアカヤマドリのほかにもヤマドリタケモドキやムラサキヤマドリタケなどがあります。
ただ、見分けが難しいので、必ず専門家にアドバイスをもらいながら採るようにしましょう。
また、採取には土地の所有者や管理者の許可が必要です。