秋を迎えようとするこの時期は、人事異動や入社が重なり、引っ越し業界では
「プチ繁忙期」と言われています。
ここ数年、高騰している分譲マンションの価格ですが、その一方で東京23区ではマンション平均家賃が過去最高値を更新。
家計を圧迫する家賃の高騰、その要因はどこにあるのでしょうか?

東京23区 マンション平均家賃”過去最高”

アットホーム調べによると、東京23区マンションの平均家賃(7月)は、シングル向き(30㎡)で10万3265円カップル向き(30~50㎡)16万8765円ファミリー向き(50~70㎡)だと24万7375円と過去最高値を更新しています。

アットホームラボ 磐前淳子氏によると、
一般的に家賃は「手取りの3分の1以内」と言われることが多く、目安で手取りの3分の1ぐらいが安全に生活できるラインだと言われています。

日本の35歳から39歳の年間平均給与は466万円、月の手取り額は約30万5000円です。しかし東京23区に住もうと思うと、平均家賃(50~70㎡)は24万7375円(アットホーム調べ)なので、月の手取り額は少なくとも 約74万円以上となってしまうのです。

家賃高騰の3つの要因とは?

なぜここまで家賃が高騰しているのか、その理由は3つあると考えられます。

≪1≫コストの高騰
▼建築資材の高騰
▼人出不足&人件費の高騰

≪2≫賃貸需要の増加

▼アフターコロナで都心回帰
コロナの時は東京を離れて、郊外に住む人も多くいましたが、アフターコロナで東京に戻ってくる人が今増えています。

▼購入を諦め賃貸へ
新築・中古マンション価格の高騰で購入を諦め賃貸にする人が増えた(アットホームラボ 磐前淳子氏)

不動産経済研究所まとめによると、東京23区の新築マンション平均価格が、2017年度は7008万円だったのが、2024年度には1億1632万円と約1.7倍に高騰しています。

≪3≫家賃の見直し
近隣の賃貸物件の価格上昇をみて、オーナーが家賃の見直しを検討し値上げに踏み切るケースもある(アットホームラボ 磐前淳子氏)

ほかにも…
経済評論家 加谷珪一氏によると、物件価格・金利と家賃は比例していて、基本的に物価が上がると不動産価格が上がり、遅れて家賃も上がっていく。
最終的には金融政策で緩和策を続けているためこの流れが続く見通しです。