原爆犠牲者の慰霊などのため長崎県を訪問していた天皇皇后両陛下が、全ての日程を終えられました。これで戦後80年の「慰霊の旅」を締めくくられる予定です。

おととい(12日)から3日間長崎県を訪問していた両陛下は、午後7時ごろ、長崎空港で大石県知事らとにこやかにあいさつを交わし、帰京の途につかれました。

きのう(13日)までは長女・愛子さまも同行し、平和公園の慰霊碑に供花されたほか、原爆資料館や養護施設で被爆者や若い世代の語り部と懇談されました。

日程最終日のきょう(14日)、両陛下は「ながさきピース文化祭2025」の開会式に出席し、参加者らと交流されました。

今回の訪問で両陛下は、「犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、これまでの長崎の人々の苦難を思い、平和への思いを新たにしました」「被爆された方々のお話を伺い、皆さんが経験された苦難の一端に触れ、そのご苦労をしのぶとともに、皆さんがこれまでの辛い体験を自ら語ることを通じて、平和の大切さを伝えておられることに深い敬意を抱きました」「戦後80年が経ち、被爆を体験した世代が減りつつある中で、若い人々の活動を通じて、被爆された方々のご苦労を次の世代に語り継いでいくことは大変意義深いことと思いました」と感想を寄せられました。

また、愛子さまについて、「初めて長崎県を訪れた愛子も、改めて原爆被害の実相を肌で感じるとともに苦難を乗り越えてこられた長崎の人々の強い平和希求の思いを深く心に刻んでいます」とコメントされました。

「戦後80年」の今年、両陛下は、4月に小笠原諸島の硫黄島を、6月には沖縄県(愛子さまも同行)と広島県を訪問し、各地で戦没者の慰霊や、遺族や語り部との懇談を続けてこられました。

両陛下が戦没者を慰霊される地方訪問いわゆる「慰霊の旅」は、発表されている中ではこれが今年最後で、長崎訪問の日程終了をもって戦後80年の「慰霊の旅」を締めくくられる予定です。