天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは12日、戦後80年の節目にあたり、長崎を訪問されました。両陛下は平和公園や原爆資料館を訪れ、被爆者や若い世代の平和活動に触れられた後、長崎での感想を述べられました。コメント全文は以下の通りです。

天皇皇后陛下コメント全文

初めて3人揃って長崎県を訪れることができ、嬉しく思います。
今日は午後に平和公園を訪れ、原爆落下中心地で花をお供えし、80年前の原爆投下により犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、これまでの長崎の人々の苦難を思い、平和への思いを新たにしました。

長崎原爆資料館では実物資料や写真の展示、また井上館長の説明などから伝わってくる原爆被害の悲惨さや被爆された方々が受けた差別・偏見に深く心が痛みました。また、ジオラマを用いた説明を通じて被爆前後の長崎市外や被害の状況について理解を深めることができました。

その後、被爆された方々のお話を伺い、皆さんが経験された苦難の一端に触れ、そのご苦労を偲ぶとともに、皆さんがこれまでの辛い体験を自ら語ることを通じて平和の大切さを伝えておられることに深い敬意を抱きました。

被爆された方々の体験を伝承する活動をされている若い方々ともお話をしました。戦後80年が経ち、被爆を体験した世代が減りつつある中で、こうした若い人々の活動を通じて被爆された方々のご苦労を次の世代に語り継いでいくことは大変意義深いことと思いました。

初めて長崎県を訪れた愛子も改めて原爆被害の実相を肌で感じるとともに、苦難を乗り越えてこられた長崎の人々の強い平和希求の思いを深く心に刻んでいます。

夕刻、大石長崎県知事から長崎県勢の概要と県が現在取り組んでいる諸施策についてもお話を伺い、県が多くの離島・半島地域から構成されていることを踏まえ、遠隔教育や遠隔医療の充実に取り組まれていることなどについて理解を深めることができました。

今日は暑い中、多くの県民の皆さんに温かく迎えていただいたことに深く感謝いたします。