「お昼どこにする?」こうした問いがでることは幸せなことだ。人口の多い・少ないに関わらず、どの地域にも“宝”と呼べる店があるはずだ。

山口県光市。海に面した5万人足らずのまちだが、瀬戸内海沿いを東西につなぐ幹線国道188号が走っている。多くの車が行き来するこの通りにも“宝”が存在する。

珉珉だ。看板には中国庶民料理、餃子舗の文字がある。

店に入ると料理の名前がずらり。店を始めてもう50年近くという老舗だ。さて、“餃子舗”とかかれたこの店での看板メニューは・・・

もちろん“餃子”なのだが、“鍋貼”とある。意を決して聞いてみた。

「何て読むんですか?」

おじさんは嫌な顔ひとつせず、教えてくれた。

「こうてる」
(こうてる?)
「そう。中国語」

(はぁ…そうなんですね。でも、なんで?本格中華だからです?)
「ちょっと雰囲気でるでしょ?」

ふ、雰囲気か…「じゃ、ひとつください」と言うと…「こうてる いーが!」と厨房に叫ぶ。

「いーが」は「ひとつ」というのは知っているが、「餃子」って中国語ではなかったのか。

読み方は私の世代では多くの小学生が知っていた。「ちゃおず」ではなかったかと。