昨年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の報告会が香川県高松市で開かれ、核兵器廃絶の思いを若者たちに引き継いでほしいと訴えました。

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報告会は香川県原爆被害者の会などが開いたものです。ノーベル平和賞の授賞式に出席した日本被団協の代表委員、田中熙巳さんらが講演しました。

(日本被団協 田中熙巳代表委員)
「一緒に運動をしていった被爆者たち全員が、このノーベル平和賞の受賞者であると」

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1956年の結成以来、核兵器をなくせと声を上げ続けた被爆者たちの草の根の運動が世界に評価されました。13歳のときに長崎で被爆し、5人の親族を亡くした田中さんは、「被団協の運動の成果が、この80年間、核兵器を1回も使わせなかった」と話しました。

(日本被団協 田中熙巳代表委員)
「核兵器が使われるかもしれない危険は何回かあるわけですね。この80年の間にそれでもやっぱり被爆者たちが核兵器は人道に反する兵器であって、絶対に使ってはいけない兵器だと作ってもいけないし、持ってもいけないという声を世界中に伝えてきた」

一方で、核を巡る今の日本や世界の情勢に懸念を示しました。

(日本被団協 田中熙巳代表委員)
「軍備を増強しろとかいうことを言って、それで金儲けする人がいるわけです。その人たちは絶対戦争の場面にはいませんよ。どっか後ろの方にいるわけです。今までの戦争がみんなそうじゃないですか。核兵器を無くすために世界全体が動いていくことだと思いますよ。だからそれを手伝ってくれといっているわけです。ノーベル賞委員会はね、日本の私たちが一番知っていてやってきたんだから、『それを引き継いでくれ、若い人よ』と言っているわけですよ。だからそれをやってもらうしかない」