「黒潮大蛇行」終息 海に変化は
突如、獲れるようになったサンマ。関連があるとみられているのが「黒潮大蛇行」の“終息”です。

黒潮大蛇行とは、本来、日本の太平洋側に沿って流れ込んでいる暖かい海流「黒潮」が、発生した冷たい渦を避けるように、南へ大きく曲がってしまう現象。
今回終息した大蛇行は2017年に発生し、過去最長の7年9か月続きました。
どんな変化をもたらしたのでしょうか。

海洋研究開発機構 美山透 主任研究員
「(大蛇行発生時は)黒潮は北の方で強かったので、東北のあたりでは水温が高くてサンマが不漁だった」
大蛇行の終息などで漁場に変化が生まれ、サンマの漁獲量が増えた可能性もあるといいます。
しかし、大蛇行の影響が残るとみられる地域もあります。三重県沖で素潜り漁をする海女からは..
海女
「(Q.アワビですか?)いいや、“フクダメ”(貝類のトコブシ)」

海水温が高い状態が続いて海藻が減る“海の砂漠化”が進み、名産のアワビやサザエなどが獲れなくなっているといいます。こうした漁場が元に戻る可能性はあるのでしょうか。
海洋研究開発機構 美山透 主任研究員
「地球温暖化は進んでいるので全く元通りというわけではない。(魚が)たまたま獲れたから黒潮大蛇行終息のせいだと喜びすぎないで、慎重に見極めたうえで資源を守りながら漁業はやっていく必要がある」