太平洋沿岸を東に進んだ台風15号の接近に伴い、静岡県内は、2025年9月5日未明から昼過ぎにかけ猛烈な雨と非常に激しい風に見舞われました。県内には「線状降水帯」が発生し、気象庁は、3回にわたって「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。

県内に猛烈な雨と非常に激しい風をもたらした台風15号は、東日本の太平洋側を東に進み6日朝には温帯低気圧に変わる見通しです。

<社会部 野田栞里記者>
「午後1時過ぎの静岡市です。朝から降り続いている雨が一層強くなりました。風があるため、雨が波のようになっています。また、聞こえていますでしょうか。大きな雷も発生して、大きな音と空がピカピカと光って率直に怖い印象を受けます」

台風が接近した県内では、午前中から昼すぎにかけ1時間に100ミリを超える猛烈な雨に見舞われ、「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表されました。

気象庁は、静岡県内に「線状降水帯」による非常に激しい雨が降り続いているとして午後1時過ぎ、県中部と西部に「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。気象庁はレーダーによる解析の結果、5日午後1時までの1時間に静岡県掛川市付近、牧之原市付近、島田市付近で100ミリを超える猛烈な雨が降ったとみられると発表しました。

午前9時前、浜松市中央区村櫛町の県道で倒木があり、走ってきた軽自動車が衝突しました。この事故で車を運転していた60代の女性が軽いけがをしました。

また、浜松市中央区舘山寺町では土砂崩れがありました。現場周辺では、道路を片側通行にして土砂の撤去作業を行っています。

<浜松総局 金國賢一記者>
「浜松市中央区湖東町です。80代の男性が水路に落ちたかもしれないと通報があり、警察と消防が周辺の河川などを捜索しています」

正午前には、浜松市中央区湖東町で「水路に男性が落ちたようだ」と消防に通報がありました。消防によりますと転落したのは、80代の男性と見られ、警察と消防が周辺の水路や川で捜索しています。

<富士支局 杉村直美記者>
「トラックとすれ違いましたけれども、かなり道路が冠水しています」

<社会部 荻野旦記者>
「正午過ぎの東名吉田インター付近です。現在強い雨が降り続いていて、前の車両も見えないくらいにふきつけています」

<伊東支局 青島悠記者>
「伊東市の国道135号線沿いに来ています。業者が倒木の撤収作業を行っています」

県熱海土木事務所などによりますと9月5日午前8時頃、伊東市玖須美元和田の国道135号線でも道路脇の斜面にあった木が倒れ、現場付近は一時片側交互通行となりました。倒木による事故やけが人はいませんでした。

<杉本真子キャスター>
「静岡駅にまもなく新幹線入ってくるというアナウンスがあった数十秒後に、急きょ運転が見合わせになったという放送がありました」

大雨による影響で東海道新幹線は断続的に運転を見合わせました。JR静岡駅では、これから新幹線を利用しようという人が改札の前に掲示された運転見合わせの情報に立ち尽くしていました。

突風被害は静岡県掛川市でも確認され、JA遠州夢咲集荷センターでは駐車場に止まっていた4トントラックが横転するなど少なくとも5件の被害が確認されています。けが人はいないということです。

また、5日午後2時すぎ、静岡県伊東市でも突風の影響とみられる建物の被害が発生しました。このうち伊東市吉田にある衣料品店の屋根が吹き飛び、従業員がけがをした模様です。破損した屋根は隣接する県立高校の校庭などに飛散しましたが、休校により生徒や教職員にけがはありませんでした。

<伊豆伊東高校 池田将章校長>
「急に暗くなって突風というか、聞いたことのないような音がして。生徒が(休校で)まず来てなくて、登校させてなくてよかった」

校内ではこのほかにも車が横転したり、倒木が発生するなどの被害が出ています。