厳しい暑さが続いていますが、マリンレジャーなど海に入るときに気を付けるべき現象があります。

いつの間にか沖へ流され、泳いでも陸地へ戻れない。「離岸流」という現象を実際に記者が体験しました。

比嘉大智記者
「10メートル流されましたが、想像以上に速いです。あっという間に流されていきます」

一見、穏やかに見える海にも、危険が潜んでいます。離岸流です。

離岸流とは、沖から海岸へ打ち寄せた波が、沖へ戻ろうとするときに発生する強い海流のことです。

県内では過去5年間で離岸流の影響により52人が事故に遭っていて、4人が死亡、1人が行方不明となっています。

水難事故のおよそ1割を占めるとされる離岸流。今回、海上保安庁立ち会いのもと、離岸流を実際に記者が体験しました。

比嘉大智記者
「これから離岸流を体験したいと思います。こちらの海岸から海へ流れ出ていきます。」

比嘉大智記者
「想像以上に流れが速いです。全く体を動かしていないのですが、あっという間に流されていきます」

体を動かさずとも沖へ急激に流される恐怖。およそ30メートルを10秒ほどで流されてしまいました。次に流れに逆らって岸へ戻ろうとします。

「波に逆らって泳いでいき思います。全然前に進みません。」

「腕がきついです。流れに逆らってたんですけど、全く前に進むことができませんでした。

泳いでも前に進むことができない離岸流。特殊な液体を使用して海流を可視化してみると、流れは毎秒2メートルにも達することがあり、逆らって陸地へたどり着くことは水泳選手でも難しいということです。

では、離岸流に流されてしまった場合、どのように対処すべきなのでしょうか。

第11管区海上保安本部・山本亮安全対策調整官
「流れに逆らわず陸岸と平行に泳いでいただく、そうすることによって離岸流の流れから外れることができます」

離岸流に流されたら、まず陸地と平行に泳ぎます。沖に流されなくなったら、岸へ向かって泳ぎます。

また、事前にできる対策を海上保安本部が呼びかけています。

山本亮安全対策調整官
「マリンレジャー全体としてですね、ライフジャケットを着用していない場合の事故に遭う確率は非常に高くなっております」

沖へ流されたときに慌てないために、ライフジャケットの着用を勧めるほか、離岸流の発生場所を第11管区海上保安本部のホームページで確認するなど、事前の対策が重要としています。

離岸流は県内全域で起こりうる現象です。離岸流の発生場所を抑えておくことやライフジャケットの着用など、マリンレジャーの際には命を守る備えが必要です。