しかし2021年12月、争う姿勢を見せていた国側が態度を一転。賠償金を全額支払う意思を示し、一方的に裁判を終わらせたのです。
夫を亡くした赤木雅子さん
「ふざけるなと思いました。お金を払えば済む問題じゃないです」
■「真実が知りたい」妻の訴え棄却 佐川元局長の賠償責任認めず

残っていたのが佐川氏個人の責任を問う今回の裁判でした。
雅子さんは真相が知りたいとして佐川氏への証人尋問を求めていましたが、認められませんでした。
そして11月25日…
大阪地裁
「主文、原告の請求を棄却する」
国家賠償法は「公務員が職務で他人に損害を加えたときは、国が賠償責任を負う」と規定。大阪地裁も同様の判断をしたのです。
また、雅子さんが佐川氏に改ざんを指示した経緯の説明や謝罪を求めていた点については…
佐川宣寿 元理財局長
「道義上はともかくとして、当該行為について説明をしたり、謝罪をしたりすべき法的義務が信義則上発生すると考えることはできない」
雅子さんの訴えはいずれも認められませんでした。
これまで改ざんの経緯について一切説明してこなかった佐川氏。11月25日、自宅を訪ねると…誰もいませんでした。
判決後、雅子さんは俊夫さんのマフラーを身につけて取材に応じました。

夫を亡くした赤木雅子さん
「夫は守ってもらえなかった。だけど佐川さんは法律で守ってもらえる。公務員個人として働いているときに犯罪行為をしても守ってもらえるって、理不尽だなって感じました」
「そんなひどい組織(財務省)に守ってもらえるより、夫は自分の意思を貫いて、亡くなった夫のことを私は尊敬しているし、大好きです」














