公文書の改ざんを強いられ自殺した。近畿財務局元職員の赤木俊夫さんの妻・雅子さんが財務省の佐川元理財局長に対し賠償を求めた裁判で大阪地裁は、訴えを退ける判決を言い渡しました。雅子さんは控訴する方針で「佐川さんは法律で守ってもらえるんだ」と悔しさをにじませました。
■「真実が知りたい」妻の訴え棄却 佐川元局長の賠償責任認めず

夫を亡くした赤木雅子さん(25日午後)
「こんなにばっさり切られると残念でならないです。こんな判決を夫に伝えたら夫はどんな顔をするだろうなと今、思っています」
財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(54)。4年前に自ら命を絶ちました。

夫を亡くした赤木雅子さん
「最近は手を合わせるというか、お線香をあげるのと『おはよう』とか話しかけたり、話をする感じ」
財務省が国有地を8億円以上も値引きして森友学園に売却した問題。赤木俊夫さんは決裁文書の改ざんを命じられ、それを苦に自殺したのです。
改ざんのきっかけとなったのが2017年2月の、この発言。
安倍晋三総理(当時)
「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員も辞めるとはっきり申し上げておきたい」
財務省の調査報告書では安倍元総理のこの発言を受け当時、理財局長だった佐川宣寿氏が「改ざんの方向性を決定づけた」としています。
文書からは安倍元総理や昭恵夫人などの名前が削除されました。
佐川氏はその後、国税庁長官に栄転。俊夫さん自殺の一報が流れた日に、初めてマスコミの取材に応じました。
ーー(自殺の)責任は感じないのか?
佐川宣寿 元理財局長(2018年3月)
「今日のニュースで亡くなられた話を聞きまして、どういう経緯でそうなったのかもよく分からないのでコメントできない」

2020年3月、雅子さんは国と佐川氏に対し損害賠償を求める訴えを起こしました。














