陸上自衛隊とアメリカ海兵隊が来月11日から行う実動訓練の中で、アメリカ陸軍のミサイルシステム「タイフォン」が岩国基地(山口県岩国市)に展開されることになりました。タイフォンの展開は国内で初めてです。

28日、中国四国防衛局の深和岳人局長が岩国市の福田良彦市長に説明しました。防衛省などの説明によるとタイフォンはさまざまな場所への展開が可能な地上発射型の長距離ミサイルシステムです。敵の防空システムから離れた安全な場所からの攻撃が可能とされています。

訓練で実際に発射はせず、一時的な展開だけで終了後は撤収するということです。防衛省は岩国基地は地域の安全保障上、戦略的に極めて重要で、アメリカ軍のすばやい展開能力を示すことは日米同盟の抑止力・対処力を向上させるうえで効果的としています。

福田市長は日本周辺の安全保障環境が一段と厳しくなっている状況ではやむをえないとの考えを示しました。

福田良彦 岩国市長
「住民に不安を与えないような配慮、さらにはこの訓練自体を通例としないということなどを含めて要請をしました。そういった意味で今回の訓練の背景・目的については理解をし、市とすればやむをえないものだと受け止めたところであります」

訓練は来月11日から25日までで、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊が国内で行う実動訓練、レゾリュート・ドラゴン25の中で行われます。