南海トラフ巨大地震による山口県内の被害想定について、新たな試算の速報値が25日、公表されました。これまでの想定に比べ、津波によって30センチ以上浸水すると予測される面積が、1.1倍になりました。県は、能登半島地震を踏まえ、2014年にまとめた南海トラフ巨大地震の被害想定を見直しています。

きのう、専門家による検討会議で、速報値が報告されました。これによりますと、県内の津波による30センチ以上の浸水面積は8347ヘクタールで、これまでに比べ888ヘクタール、11%増えました。

また、最大震度はこれまでの「震度6強」から、「震度6弱」に下がりました。震度6弱が想定されているのは、岩国市と柳井市、周防大島町、和木町、上関町です。すべての市町で、最大震度は前回と同等か、1段階低くなっています。

今回の被害想定は、より詳細な地形データや、精度の高い解析プログラムを使って試算したということです。

県地震・津波防災対策検討委員会 三浦房紀 会長
「震度については多少県全体で低くなっている傾向がありました。最終的な結果をもとに、県民にわかりやすいように想定結果を説明したい」

今後、秋ごろをめどに人的被害を含めた被害想定をとりまとめ、来年3月に最終報告書を公表することにしています。