ウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領による首脳会談の開催が難航していますが、ゼレンスキー氏やウクライナ市民がどのように考えているのか。現地在住の専門家に聞きました。

記者
「先週月曜(の電話会談)以降で、プーチン大統領と話しましたか?」
アメリカ トランプ大統領
「彼との会話はすべてが良い会話だ」

25日、ロシアのプーチン大統領と継続的に協議していることを明らかにしたトランプ大統領。プーチン氏とウクライナのゼレンスキー大統領による首脳会談について、こう強調しました。

アメリカ トランプ大統領
「(両者の)関係は悪い。彼らは会うべきだ」

果たして両国の首脳会談は実現するのでしょうか?

ウクライナ国営メディアの日本語版の編集を務める平野高志氏は。

「ウクルインフォルム」日本版編集者 平野高志 氏
「(可能性は)ゼロとは言わないですけど、かなり低いと私は思っています。現在、出てきているロシア側から聞こえている発言から判断するに、(プーチン氏は)当分出てこないんじゃないか」

では、当のウクライナ市民はロシアとの話し合いを欲しているのでしょうか?

「ウクルインフォルム」日本版編集者 平野高志 氏
「全く望んでないと思います。戦争が終わってほしいという思いはもちろんあると思いますし、着実に交渉でこの戦争を終わらせなければいけないという見方は高まってきている」

その一方で、交渉の高いハードルである「領土と主権」をめぐっては、市民の中に「譲歩する傾向」がみられるそうです。

「ウクルインフォルム」日本版編集者 平野高志 氏
「“ロシアに占領されているウクライナ領”として認める準備がある人が増えてきている。(領土の)主権は渡さないけど、定義上はウクライナ領だけれど、“ロシアに仕方なく占領されている状況”というものを受け入れる準備があるという人が増えている」

こうした“譲歩のライン”がある程度共通認識となってきている中、トランプ氏にはこんなことを望んでいるそうです。

「ウクルインフォルム」日本版編集者 平野高志 氏
「それをトランプ氏が後押しをしてくれて、ロシアにも譲歩をさせるような圧力をかけてほしいというふうにウクライナの人たちは思っているんだと思います」

こうした今、ゼレンスキー氏の心の内にあるのは停戦か?和平か?

「ウクルインフォルム」日本版編集者 平野高志 氏
「和平が簡単に実現するとはウクライナ側も全く思っていないですが、それでもとにかく人が死ぬのを防げるような停戦というものをアメリカの主張しているものに私たちはのっているのだから、何とかそれを実現しなければいけないというような方針になっていると思います」

トランプ氏はプーチン氏が会談に応じない場合、追加制裁の実施を改めて示唆していますが、はたして。