戦時中、水没事故のあった山口県宇部市の長生炭鉱で、市民による事故犠牲者の遺骨収集のための潜水調査が行われ、26日、炭鉱内から頭蓋骨とみられるものが見つかりました。25日には、長さ42センチほどの大たい骨とみられる骨のようなものなど3本が見つかっていました。

会によると頭蓋骨とみられるものは、前日骨のようなものが見つかったすぐそばで、半分くらい土に埋もれていたということです。また付近では、服を着て横たわった状態のものも確認したといいます。

潜水した韓国のダイバーは「前日確認したよりも、さらに多くの方の遺骨がある可能性があるが、炭鉱内が濁っていて確認はできなかった」。当初から潜水調査をしてきた水中探検家の伊佐治佳孝さんは「遺骨収容をやれることがわかったので、次のフェーズに入っていける」と話しました。現場で見守っていた遺族は「祖父は若くして命を落として悔しかったことだろうと思います。会と伊佐治さんには本当に感謝しています」と話しました。

会では、警察に頭がい骨とみられるものを引き渡し、警察で鑑定を進めることにしています。

山口県宇部市の長生炭鉱は1942年2月3日、坑道の天井が落ちて水没。朝鮮半島出身者を136人を含む183人が犠牲になりました。事故犠牲者の遺骨はこれまで80年以上もの間、海底に取り残されたままとなっていました。

遺族への遺骨返還を目指す市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は約1年前、炭鉱内から遺骨を見つけ出すための潜水調査を開始。これまでに沖側にある炭鉱の排気筒ピーヤから入って本坑道まで到達。25日は遺骨収集に向けて緊急時用のタンクを炭鉱内に設置する作業をしていた韓国のダイバー2人が、本坑道の中から3本の遺骨と見られるものを見つけ出し、刻む会は警察に渡していました。