途上国支援、世界にもたらすメリット

Q.途上国支援については、外国にお金を使うのではなく自国のために使うべきだとの言説が世界各国で少なからずあります。途上国における廃棄物の適切な処理が世界にもたらすメリットは何だとお考えでしょうか。
国連ハビタット アナクラウディア・ロスバッハ事務局長
「支援をする意味は、とてもあると思っています。なぜかというと、世界各地で都市化のプロセスが始まっていきます。世界の人口の半分が現在都市に住んでいますが、これが2050年までには70%の人が都市に住むと予想されています。そのうちの90%はアフリカ、そして東南アジアに集中すると言われています。これには2つの大きな意味があると思っています。1つ目はこの人口増加と都市化がアフリカに与える重圧です。これから先もっと若い人たちが機会を求めて都市に集中することでしょう。そのためには、今足りない住宅を増やす必要がありますし、ごみが増えていくということになります。もしこの都市化のプロセスがうまく管理できなければ、世界的に非常に困難な状況を迎えることになります。2つ目ですが、より多くの人たちが都市に集中していくことによって経済活動も都市に集中することになりますが、それはたくさんの課題が都市に集中することにもなります。ごみの大きな影響を受けるのも都市ということになります。この時期に重要なのは、戦略的に計画を立てて活動するということです。今申し上げたような都市化のマイナス影響を最小化し、都市化がもたらすポテンシャルを最大限に大きくしていくということです。都市化が進行して人口が増えるということは、労働力が増えるということでもありますし、経済活動が増えていくということでもあります。このプロセスを機会と捉えてポジティブな方向に動かしていくことが重要だと思います。」
【福岡方式】
衛生的なごみの埋め立て技術。約50年前に、福岡大学の研究者チームが開発、福岡市と一緒に実用化した。構造はシンプル。埋立地の底にパイプを設置して外気をとりこむことで微生物によるごみの分解を促す。メタンガスの発生も抑えられる。パイプは、竹などでも代用できるため、途上国の実情に応じて様々な素材で代用できるのが特徴。















