ふるさと納税返礼品の産地偽装問題で、指定の取り消し処分を受けた須坂市は、シャインマスカット以外の返礼品についても、申請に不適切な点があったことをすでに公表しています。返礼品を手掛けた業者が取材に応じ、市の管理体制の甘さを指摘しました。


「市の言う通りにしてやってたんですけど、いざこういう問題が見つかったときに、事業者の方が提出しない書類があったんじゃないかっていう、こっちが悪いような対応をしてるんで、責任感のなさっていうんですかね。そういうところが何か…」

こう話すのは、須坂市がふるさと納税の返礼品としていた「味付け肉」と「たれ」の販売元の代表を務める男性です。

今年6月、市はこの返礼品について、実際は市外で加工していたものを市内で製造されたとして申請・登録していたことが確認されたと公表しました。


該当する商品は、県内産の豚肉や牛肉を須坂市産のみそやしょうゆで味付け加工したもの。加工は市外の業者が担っていて、商品ラベルにもその旨を明記していました。

「まず最初にどういう品物だったらふるさと納税出品できますかっていう相談に行ったら、須坂市産のものが入ってればいいですよっていうことだったんで、味噌と醤油を入れれば商品になりますかって聞いて、なりますって。その登録シートに書いてくださいって言われて書いて提出したら、OKですって言われたんで。それで始めたんです。(1年ごとに何か更新の手続きとかは?)ないです。もう登録したらずっと」


そうした中、総務省は去年10月返礼品のルールを厳格化。これによって、市内の業者が販売する商品でも製造拠点が市外の場合には申請区分の変更や書類の追加提出の必要が生じました。

しかし、市は業者への確認をせず、手続きも行いませんでした。

「自分たちの失敗をまず認めてもらって、チェック体制がやっぱりおろそかになったことによってこういうことが起きてるんで。一生懸命(事業者の)皆さんはやってるんで、ちゃんとした管理をしてもらいたいと思います」


一方、市は――

三木正夫須坂市長:「一般論で申し上げますと、出す方(業者)と審査する方(市)と、両方できちっとしなければならない。提出する方と確認する方と両方の私は責任があると思います」


三木市長はこう釈明しました。

市の担当課は取材に対し、「市内で製造されているものと思い込んでいた」と答えました。そして、去年10月のルール改正のタイミングの対応については「必要な確認を怠った」と明言しました。

去年10月以降に当該商品が返礼品となった寄附額は95件・合わせて105万円余り。


このうち、返礼品が未発送だった2件については、別の返礼品を選んでもらう対応をとったということです。

産地偽装問題で2年間、ふるさと納税制度の対象外となる、須坂市。

三木正夫須坂市長:「反省は反省として今後にいかすこと。そしてこれから何をするかが大事ではないか」

歳入の大幅な減少で市の事業にも影響が出る中で市民からの信頼をどう取り戻していくのか。今後の取り組みや姿勢が、問われています。