マダニ感染症ウイルスの運び屋になり得ると指摘されているのが「タイワンリス」です。観光地・鎌倉だけでなく、生息域を拡大し、いまや横浜市でも繁殖。被害が続出しています。

高柳光希キャスター
「いました。切株の上」

横浜市にある公園で、けさ目の前に現れたのは、もともと台湾などに生息していた通称・タイワンリスです。

高柳光希キャスター
「2m、3mあたりから下に降りてきました。かなり機敏に動いています。人がいてもまったく怖気づかないですね。むしろ近づいてきます」

カメラがいてもお構いなし!あちらこちらに姿を現します。

高柳光希キャスター
「あそこにいます。こっちを見つめています」

横浜市民
「めちゃめちゃいますね。なんか結構、どの木にもいるので」

かつて、観光地・鎌倉で大繁殖していたタイワンリスが、その生息域を横浜にも広げているのです。

見た目は可愛らしいですが、農作物を荒らしたり、電線の上を猛スピードで走ったり、ときには電線をかじり、断線させたりすることも。

生態系への影響などから「特定外来生物」に指定されている“厄介モノ”。

増え続けるリスに横浜市民は…

「仮に子どもとかに何か、危害が加わるようなことがあったらちょっと怖いかなというのはあります」

実際に被害が出ている場所も…

FRUIT PARK YOKOHAMA 芝口禎久さん
「これ、かじられてますよ。ちっちゃめのやつのかじられたのが多いので、これリスなのかな」

こちらの農園では、去年からタイワンリスが原因とみられる被害が。先月末から、収穫直前の熟した梨が毎日5個ほど食べられ、年間の被害額はおよそ10万円に。

リスの侵入を防ぐため、天井にネットをとりつけ、周囲には電気柵も設置していますが…

FRUIT PARK YOKOHAMA 芝口禎久さん
「これが電気柵で、ハクビシンとかそうですね。リスは小さすぎちゃって防ぎようがないですよね」

星川杉山神社では…

「こういったところに小さい糞とかが落ちてたりするんですけど」

駆除業者に依頼し、境内にワナをしかけても、いたちごっこに。

クリーン計画プロープル 引田徹 施工部長
「お寺であったり自然公園とか、そういったところでの駆除依頼が増えたので」

増え続ける背景にあるのが、タイワンリスの繁殖力です。1回の出産で産む数は1、2匹。栄養状態が良ければ、最大、年に3回出産するのです。

森林総合研究所・多摩森林科学園の林研究専門員は、タイワンリスが「マダニ」感染症などのウイルスの運び屋になり得ると指摘します。

林典子 研究専門員(森林総合研究所 多摩森林科学園)
「マダニだけではなく、ツツガムシなど、多様なダニ類・ノミ類などの外部寄生虫がついていることがあります。リスの個体数が増加すれば、人間やペットとの接触機会が増え、寄生虫が人間におよぶ機会も増えます」