さらし姿の男たちが熱さに耐え、重さ30キロを超す松明を担ぎ、山を登る祭りが福島県富岡町にあります。震災や新型コロナなどで、消滅の危機を何度も乗り越えた「麓山の火祭り」にカメラが密着しました。
「千灯、千灯!」
多くのともしびを意味する「千灯」のかけ声とともに、最大斜度30度の山道を登るさらし姿の男たち。15日、富岡町上手岡地区の麓山神社で400年以上の歴史があるとされる麓山の火祭りが行われました。およそ30人の担ぎ手が五穀豊穣や無病息災を願い、山頂に挑みました。
「いくぞ!」
松明の重さはおよそ30キロ。男たちは、その熱さや重さに耐えて、標高およそ230メートルの山を登っていきます。
「千灯、千灯!」
登り始めてからおよそ15分。先頭が無事に山頂に到着したのを皮切りに、ぞくぞくと後続の担ぎ手たちが山頂にたどり着きました。
「バンザイ!」
この後、男たちは再び松明を担ぎ、山を降りなくてはなりません。疲れている足には大きな負担です。下山すると、社殿の周りを男たちが33周まわり、再びバンザイをして祭りは終了しました。
参加した人「この祭りがあるから集まってくるというのがみんなのきっかけになっていると思うので、やっぱりこの祭りは大事だなと思う」
参加した人「もとから住んでいる人に聞いて参加した。すごく伝統ある祭りが続いていることが神聖だし、携われたことがうれしく、幸せ」
今年は、コロナ禍の前以来、6年ぶりに盆踊りも開かれ、地元の人や久しぶりにふるさとに帰ってきた人たちが交流を深めました。
この麓山の火祭りにカメラが密着した「ダイドーグループ日本の祭り ふるさとをわれらの手で!~上手岡・麓山の火祭り~」は、9月20日午後3時からTUFで放送します。