太平洋戦争では命を使い捨てにさせる特攻が行われました。
その中でも無謀だった海底に潜んで自爆する「伏龍(ふくりゅう)」、爆弾を積んだボートで体当たりをする「震洋(しんよう)」。
その両方を体験した102歳の男性が伝えたいこととは。

80年たっても忘れない「息の仕方」があるという。
愛知県大府市の加藤重雄さん102歳。太平洋戦争末期、一人で2つの特攻作戦に参加した。
(加藤重雄さん)
「毎日海の中を行ったり来たり、物を持って歩いたり海の底をね。“伏龍”部隊って言ったかな」

物量の差で米軍に圧倒される中、体当たりする「特攻」に踏み切った軍部。航空機の神風、小型潜水艇の回天などが投入されたが「伏龍」は、中でもひときは無謀だった。
約80キロの潜水装備を身に着けて、水中を歩きながら敵の艦船に近づき、15キロの爆薬を取り付けた棒で下から突いて自爆する。作戦とも呼べない、自殺行為。

