広島で被爆した体験を長年、英語で伝えてきた88歳の小倉桂子さんがオーストラリアで講演し、地元の高校生たちに核兵器の恐ろしさと平和の大切さを訴えました。

記者
「シドニー市内の会場です。こちらには地元の高校生らおよそ400人が集まりました」

戦後80年に合わせて開かれたイベントに出席した小倉桂子さん(88)。「バトンを渡す」をテーマに、8歳の時に被爆した自らの体験を集まった人たちに語りました。

8歳の時に広島で被爆 小倉桂子さん
「私の手から水を飲んだ2人の被爆者が、その直後に亡くなったのです。とてもショックでした」

終戦後、英語を学び、40年以上、海外に向けて原爆の悲惨さを伝えてきた小倉さん。講演の後、高校生たちと意見を交わしました。

小倉桂子さん
「あなたたちの心に火をともしたい」

地元の高校生
「彼女が講演してくださったことを光栄に思います」

小倉桂子さん
「突然押しかけてきたみたいな私の話を聞いてくれるだけで感動した」

被爆者の高齢化が進むなか、小倉さんは命が尽きるその日まで証言を続けたいと話していました。