太平洋戦争中に水没した山口県宇部市の長生炭鉱で6日、事故犠牲者の遺骨を収集するための潜水調査に向けた準備が行われました。



宇部市にあった長生炭鉱は、太平洋戦争中の1942年2月、坑道の天井が落ちて水没し、183人が犠牲になりました。

犠牲者の遺骨は今も取り残されたままです。

遺骨発掘と遺族への返還を目指す「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」と、水中探検家の伊左治佳孝さんは、去年7月から炭鉱内に潜る調査を行っています。

これまでに、沖側にある炭鉱の排気筒・ピーヤから200メートルほど旧坑道を進んだ地点で、遺骨があるとみられる方向に伸びる通路を見つけていました。

8日にこの通路の先に進んで遺骨を探すため、6日は道中に緊急時用の呼吸ガスのタンクなどを設置しました。

伊左治さんは「前向きな準備ができている」と話していました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子 共同代表
「伊左治さんが慎重に安全に中に入れれば、必ずご遺骨と巡り会える。このことを8日は期待したいなと思います」

8日は、およそ6時間にわたり遺骨を探す調査が行われる予定です。