昨日(7月31日)午後6時ごろ、熊本県西原村と南阿蘇村にまたがる俵山(標高1095メートル)で遭難していた女性は、日付が変わった今日(8月1日)未明に無事発見されました。
なぜ遭難はおきたのか。陥りやすい危険性について専門家に聞きました。

遭難していたのは、宮崎県から夫婦で訪れていた60代の女性です。
夫の通報から7時間近く経った今日1日未明、登ったルートとは逆の方向にある登山道にうずくまっているところを、捜索隊によって発見されました。女性に けがはありませんでした。
警察によりますと、女性は山頂で夫と別れたあと、1人で俵山を下りる際、南側に位置する護王峠に分かれるルートに間違って進んだとみられます。

女性は今回、なぜ間違ったルートを進んでしまったのでしょうか?
「先入観」の危険性
専門家は「先入観」や「思い込み」の危険性について指摘します。

登山専門店シェルパ 山本康介さん「絶対にこっちだと思い込む先入観が先行してしまうと、道をロストして(見失って)しまう可能性があります。自分の記憶を物と照合することでより精度の高い登山ができる」
専門家はリスクを回避するため、なるべく単独行動を避け、もし1人の場合でも登山アプリや地図の活用をすすめています。
登山中の注意点
専門家の山本さんは登山中に陥りがちな注意点はこのようなものがあると話します。

複数人で山を登る場合、後ろを歩いている人は、前の人についていくため目線が下がり、自分でルートや目印を確認しないまま、頂上についてしまうことが多いということです。そして、下山する時、ルートが分からなくなることがよくあるといいます。

そのため、先導者についていくときにはコミュニケーションをとって途中でルートを確認し合うことが、遭難しないためのポイントだということです。
また、万が一、遭難し、携帯電話の充電が切れるなど連絡手段が断たれた時には、体力を温存し、極力その場から動かずに待つことが大切としています。