国境地帯での軍事衝突が続くタイとカンボジアは28日、アメリカや中国の代表者らの仲介で首脳会談を行い、無条件での停戦に合意しました。

タイとカンボジアが領有権を争う国境地帯では、28日も戦闘が続いていて、これまでに双方で民間人ら230人以上が死傷しています。

こうしたなか、タイのプムタム首相代行とカンボジアのフン・マネット首相は28日、マレーシアの首都クアラルンプールを訪問し、首脳会談を行いました。

会談後の会見でマレーシアのアンワル首相は、両国が現地時間29日午前0時から無条件で停戦することに合意したと発表しました。

さらに、29日午前にタイ、カンボジア両軍の司令官が非公式の協議を行うことでも合意したということです。

両首脳の協議には、仲介役としてアンワル首相のほか、アメリカと中国の代表者らも参加していました。

停戦合意を受け、国境地帯では事態の収束に向かうのか注目されます。

今回の合意を受け、国連のグテーレス事務総長は28日、「敵対行為の終結と緊張緩和に向けた前向きな一歩として歓迎します」との声明を発表しました。

グテーレス事務総長は、両国に対し「合意を尊重し、長期にわたる問題の解決と永続的な平和の実現のための環境整備を強く求めます」と呼びかけました。

そのうえで、停戦交渉に尽力したマレーシアとアメリカ、中国の名前をあげ、「平和的解決に向けた献身的な努力をたたえます」と感謝しました。