この2年間で800人あまりが関与したとみられるTOEICの不正受験。警視庁は組織的なカンニングの手口を明らかにしました。使われていたのは、米粒ほどの小さなイヤホンでした。
およそ3ミリ、米粒ほどの大きさの金色の球体。正体は“極小イヤホン”です。
先月7日、TOEICの試験場で中国籍の男女10人がカンニングしようとしたとして警視庁が事情聴取した際、女性から押収されたものです。耳の中に装着すると外からは見えないといいます。
棒は磁石になっていて、イヤホンである球体を耳から取り出す際に耳の中に入れて使うものだということです。中国籍の男女らは、この“極小イヤホン”の使い方を事前にマニュアル動画で学んでいました。
動画(警視庁提供)
「まず金属ビーズを一つ取り外し、頭を傾けて耳の中に入れる。金属ビーズを耳の奥まで滑り込ませる」
他にも。
動画(警視庁提供)
「そのまま後ろぶたに粘着させてふたをこじ開ける。それから電池を一つ用意し…」
このペンダント型の機器とスマホをBluetoothでつなぎ、耳に入れた“極小イヤホン”に音声を送ったとみられます。
きょう警視庁は、今年3月、練馬区の会場で「TOEIC」の試験を他人になりすまして受けたとして、中国籍で京都大学大学院生の王立坤容疑者(27)を再逮捕しました。
王容疑者から押収したマスクと小型マイクも公開。王容疑者は取り調べに黙秘していますが、この小型マイクをマスクの中に隠し、受験者に解答を伝えようとしていたとみられています。
「TOEIC」の試験をめぐっては試験の運営団体が、先月下旬までのおよそ2年間で800人あまりが不正に関与したとみられると発表。これらの受験者の試験結果は無効にしたうえで、今後も調査を続けるとしています。
事情聴取された中国籍の男女らのうちの1人は「中国のSNSで不正受験を検索して5万円を払った」。このように説明していて、警視庁は専門業者が王容疑者などを雇って組織的なカンニングを行っていたとみて、全容解明を進めています。
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