今年の新米商戦のトップを切って、超早場米の産地九州・鹿児島産の新米の販売が広島県内のスーパ-で始まりました。値段は5kg税抜き3980円…お客さんの評価はどうだったのでしょうか?

広島市南区のスーパー、ゆめタウン広島です。22日から販売が始まったのは鹿児島県・種子島産コシヒカリの新米です。価格は5kg袋で税抜き3980円…隣に積まれた去年のコシヒカリに比べて安いとあって、早速、買い求める人もいました。
●女性客
「3900円で安く感じるから新米だし、どうかなあ思って」
店によると販売開始1時間で30袋近く売れたということです。ただし、決してコメの価格が下がったわけではないようです。
●ゆめタウン広島・加工食品 有森創史主任
「去年の新米に比べて、値段が1.4倍から1.5倍に上がっている状況になります」
実は、コメを出荷した種子島の業者によると「今年は、JAと業者とのコメの集荷競争が激しく相場がかつてなく上がっている。備蓄米放出の効果はない」ということです。3980円という値段は店側の努力でかなり安く提供した価格のようです。それでもコメを仕入れた卸し業者は新米の発売を機に去年産の米の価格も下がるとみています。

●食協 武信和也社長
「余るような銘柄米があれば、値段は・・・買う必要ありませんので。新米出まして、(去年産の米の価格については)下げていこうというふうに思っています」
では、広島県内の新米の価格はどうでしょうか?
●記者
「東広島市黒瀬町の田んぼに来ています。こちらが県内では一早く、来月のお盆の頃に収穫する早期コシヒカリです。ちょうど今、穂が出揃って、中に実を蓄え始めたところです」
生産者の田辺さんはこのコメを、産直米としてスーパーなどで販売する予定です。その予定価格は?
田辺商会 田辺寿孝会長
「4千円は最低じゃないですか、引いても3980か」

実は、田辺さんは去年早期コシヒカリを税抜き5kg2980円で販売しました。それより1000円以上高くする理由について田辺さんは、資材や機械代の高騰と、今年もコメ不足になりそうだからだと話します。
田辺商会 田辺寿孝会長
「こんだけ36度37度になるとね、イネも出来んです。今でこそ古米があるからね、政府備蓄米出しおるけど、新米だけじゃ補えんのですからね」
Q コメが足りない?
「足りない、絶対足りない」
Q 去年と同じようなことが起きる?
「絶対起きます」
一方、農水省によると、ことしは、全国38の道府県でコメを増産する意向で店頭価格は落ち着くとみられます。果たしてどんな秋を迎えるのでしょうか?
食協の武信社長によりますと、この秋、高温障害などがなく順調に収穫できれば、米の価格は、5キロ3500円程度に落ち着くのではないかということです。