リニア工事をめぐる国の有識者会議が開かれ、南アルプスの工事現場を所有する会社へのヒアリングが行われました。この会社は「まだトンネル掘削は認められない」との考えを示しました。
国交省の有識者会議は現在、南アルプスの環境保全がテーマとなっていて、5回目となった11月16日は、静岡工区の土地を所有する企業の取締役へのヒアリングが行われました。
その中で、企業側は、リニア工事をめぐる議論の結論は出ておらず、利水者の合意もまだされていないことから「静岡工区でのトンネル掘削は認められない」との考えを示しました。
その上でJR東海に対し、専門家の意見に基づいた環境保全を求め、「自然を守りつつリニアを通した例として、世界から視察が来るくらいの対応をお願いしたい」と述べました。
リニア工事をめぐっては、地下水位の低下が南アルプスの高山植物に悪影響を及ぼすことが懸念されています。今回、JR東海は初めてその影響を調査する具体的な方法をまとまった形で示していて、今後、有識者の意見を取り入れながら進める方針です。
また、16日は静岡県から難波喬司前理事の後任として、リニア対策本部長に就任した森貴志副知事がオブザーバーとして参加しました。
<静岡県 森貴志副知事>
「トンネル工事については、自然環境の保全が非常に重要だと改めて認識した。こちらの不安を払しょくするような回答をJR東海に求めていく」
関係者ヒアリングは今回までで、次回の有識者会議からは論点整理が行われます。
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