参院選の投開票から一夜明けた21日、再選を果たした岩手選挙区の横沢高徳氏が2期目に向けた決意を語りました。


横沢高徳氏は21日午前、自身の盛岡市の事務所で報道陣の取材に応じ、にこやかな表情で当選を報じる新聞に目を通していました。
(横沢高徳氏)
「6年間の活動の中で、こうして皆さんから支持をいただいたことは非常に私自身うれしく思う」
次点に約9万9000票差を付けた選挙戦を終え、改めて2期目に向けた決意を次のように語りました。

(横沢高徳氏)
「2期目のスタートラインに立たせていただいて、チャレンジャーとしての気持ちはかなり大きくなっている。国民の皆様の生活を豊かにしていく、その一心で仕事をしていきたい」
【ここから記者解説】

(キャスター)
ここからは、参議院選挙の取材を担当した岩手県政担当記者に今回のポイントについて解説してもらいます。

(記者)
今回は物価高対策を最大の焦点に争われました。与党は国民一律2万円の給付金を掲げたのに対して、野党は消費税の減税や廃止を訴えました。
(キャスター)
そして石破総理の政権運営を問う選挙でもありましたね。
(記者)
2024年秋の衆院選の結果、少数与党になった自公政権は、過半数維持へ目標としていた50議席に届かず、結果は歴史的な大敗となりました。
(キャスター)
こうした中、岩手選挙区(改選1)はどのような戦いが展開されたでしょうか。
(記者)
立憲民主党・現職の横沢高徳さんが自民党・元職の平野達男さんを破って2回目の当選を果たしました。
(キャスター)
6年前も戦った2人が再び対決したわけですね。

(記者)
6年前は横沢さんが約1万5000票差で接戦を制しました。それが今回は約9万9000票の差を付けての再選となりました。
(キャスター)
勝因はどこにあったのでしょう。
(記者)
議員6年間の実績に加え、食料品の消費税減税など党の掲げた公約を丁寧に訴えたことが挙げられます。さらに支持者や支持団体が選挙戦を通じてフル稼働して支えました。

2024年10月の衆参ダブル選挙(衆院選挙と参院岩手選挙区補欠選挙)で岩手3区の議席を奪還した小沢一郎さん、参院議員への返り咲きを果たした木戸口英司さん、達増知事も6年前と同様に横沢さんを支援しました。さらに立憲民主党県連と溝がある衆院議員の階猛さんも1日限定でしたが応援のマイクを握りました。
(キャスター)
2024年の勢いを追い風に優位に戦いを進めたのですね。平野さんについてはいかがでしょうか。

(記者)
政治とカネの問題や補欠選挙の引き金となった元参院議員の不祥事が起きた2024年の影響を引きずった状態の厳しい戦いでした。この結果、岩手県内33市町村のうち平野さんが横沢さんの得票を上回ったのは、山田町など沿岸の7町村にとどまりました。
(キャスター)
そんな中、今回存在感を増したのが参政党でした。

(記者)
7月8日に岩手選挙区に擁立した及川泰輔さんを応援するため神谷宗幣代表が岩手入りし盛岡駅前で演説しました。約300人が集まり、支持の広がりを感じる場面でした。敗れはしましたが及川さんは岩手県内で約10万票を獲得しました。
(キャスター)
岩手県内でも支持を集めたということですね。さて、自公が参院でも少数与党となって、中央政界は慌ただしくなっています。岩手県政界の今後の動きはどうなっていくでしょうか。
(記者)
野党は2009年以来の政権交代の実現へ勢いを加速させるでしょうし、対する自民党などの与党勢力が組織の再構築などで巻き返しを図れるか注視したいと思います。
(キャスター)
以上、記者解説でした。