今、倒産する保育園が増えています。

「保育園が足りない」ことが社会問題になっていたはずなのに、保育の現場でいったい何が起きているのでしょうか。

取材すると、日本社会が抱える課題と女性たちのリアルな声が聞こえてきました。

申し込みが殺到する人気の保育園

福岡市城南区にある仁愛保育園。0歳児~5歳児まで300人が通っています。

足を揃え、姿勢良く食事をする子どもたち。

この園では早い時期から正しいはしの持ち方を教えるなど自立をめざし、しつけを重視する方針を打ち出しています。

入園を希望する保護者は多く、今年度は定員以上の申込みがありました。

一方でつぶれる保育園も・・・倒産件数は過去最悪のペース

一方、民間の調査会社・帝国データバンクによりますと、今年1月から6月までに22の保育園が倒産しています。

去年の同じ時期に比べ7割増えていて、今年、過去最多になる可能性があるといいます。

入園希望者が多いこの保育園は、一見、「倒産」とは無縁に思えますが。

仁愛保育園 石橋啓祐 副園長
「保育園の倒産件数っていうのは私たちもすごく衝撃ですし他人事ではない」

「倒産」は他人事ではない、といいます。

帝国データバンクによりますと、倒産の主な理由は「定員割れ」と「保育士不足」。

「定員割れ」については選ばれる保育園と選ばれない保育園に2極化している現状があります。