地中海の島国キプロスが南北で分断している問題をめぐり、アメリカ・ニューヨークの国連本部で南北首脳による非公式の会合が開かれました。仲介した国連のグテーレス事務総長は、「協議を続けていくことで一致した」と話しました。

地中海に位置するキプロス島は1974年、ギリシャの軍事政権の介入でクーデターが発生し、そこにトルコ軍が侵攻して北側を占領し、南北に分裂しました。

南側をギリシャ系のキプロス共和国が占め、北側をトルコのみが国家として承認する「北キプロス・トルコ共和国」が占めています。

今回、非公開で行われた会合には、北側の「北キプロス・トルコ共和国」のタタル大統領と南側のキプロス共和国のフリストドゥリディス大統領のほか、ギリシャやトルコ、イギリスの代表らが出席しました。

今回の会合では、▼4つの検問所の開設と、▼緩衝地帯における太陽光発電についての2点で合意にはいたらず、課題として残されたものの、仲介した国連のグテーレス事務総長は「協議を継続していく必要があるという点で、全員が一致した」と述べました。

一方、グテーレス事務総長は、今回の会合に満足しているとしたうえで、「もっと多くの成果を望んでいるが、これは複雑な問題であり、記録すべき進展はあった」と話しました。