過疎化が進む地域の課題は投票所へのアクセスです。

不便さを解消しようと、山口県萩市などでは車やバスによる移動式の期日前投票所が巡回しています。

吉冨冴 記者
「萩市にある道の駅うり坊の郷です。こちらの駐車場の一角でに開設されたのは移動期日前投票所。テントが立てられた車の中には投票箱が置いてあります」

萩市では近くに投票所がない周辺部の有権者が投票しやすくなるようにと、移動期日前投票所が巡回しています。

県選挙管理委員会事務局によると、県内で移動期日前投票所は2019年の県議会議員選挙で試験的に導入されました。

今回の参院選では下関、山口、防府、萩の4つの市で実施されています。

萩市では1日に数か所、1か所につき1時間から2時間、設置し、30人から100人ほどが訪れるということです。

2024年10月の衆院選では、307人が移動期日前投票所で投票しました。

利用者(80代)
「私らはこのへんぴなところへおるから、できるだけ近いところにあれば助かります。有権者の近いところでやれば投票率も上がるんじゃないですか」

萩市では4年前の2021年、有権者の減少などから投票所の設置箇所が見直され、59か所から31か所に減りました。

一方で有権者から投票の機会を奪わないように、移動期日前投票所を本格的に導入しました。
見直し前の2017年の衆院選で萩市の投票率は62%、2019年の参院選は55%でした。
見直し後に移動期日前投票所を導入した2021年の衆院選は55%、前回、2022年の参院選は52%、去年の衆院選は55%とほぼ横ばいで、投票率を維持するという目標を達成しました。

萩市選挙管理委員会 兒玉彰 事務局長
「投票所が再編したことによって遠くなってしまって、なかなか行きにくいっていう方もいらっしゃると思うので、そういった方のところに、再編したところに行ってですね、投票に来てもらうっていうようなイメージでやっています」

下関市と防府市では終了しましたが、萩市では19日(土)まで、山口市では18日(金)まで移動期日前投票所が巡回しています。